高校の学祭

四季にる各地方の行事

高校の学祭

7月の行事、で想い出すのはなんといっても、高校の学校祭だ。
学校祭は秋だろう、というなかれ。
当時、共通一次試験が実施されることになったため、秋に学校祭をやっていたのでは3年生の勉強がはかどらない、との判断で、確かにそれまでは秋だった学校祭を7月に繰り上げたのだ。わたしが高校生になった年に、母校ではそういう措置が取られた。
学校祭当日や前後に学校が落ち着かないだけではなく、学校祭の準備のために夏休みを使う学生が出るのを防ぐための措置でもあったのだ。

    今では夏に学校祭を行う高校も増えたが、当時の母校はその走りであった。
    そういう学校の配慮に応えるように、われわれ生徒一同は学校祭に持てるエネルギーのありったけを注ぎ込んだ。
    とは言い条、どうしても乗り切れない生徒も出てくる。わたしの友だちがそうだった。
    クラスの出し物として、定番ながらお化け屋敷を実施することになり、全員が準備に勤しんでいるなか。Aだけが何故かポツンと立ちつくしていた。大人しいAは、役割の割り振りから漏れたのかもしれない。わたしはお化け屋敷の材料買い出しにAを誘って、道中色々な話をして盛り上がった。特にクラスの美少女であるC子の話題は大いに熱が入った。
    小腹が減ったので、寄り道をしてラーメンを食べて学校に戻ると、女子生徒が心づくしのおにぎりの差し入れをもってきてくれたところであった。おにぎり部隊の中には、わたしやAが密かに憧れていたC子も混じっていた。
    ラーメンで腹はふくれていたが、C子のおにぎりが食べたくて、わたしとAはいかにも腹が減ったようなそぶりで、できるだけC子がにぎったと思えるおにぎりを頬張った。
    本当に腹を減らしていた級友に申し訳ない気持ちは、Aとふたりで押し殺し、ずっと秘密のままである。
    7月になると、学校祭と、無理矢理に食べたC子のおにぎりを想い出す。
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